冬の一角獣

真城六月ブログ

12月詩ふたつ

 

 

 『付き添いのうた』

 

 

‪ 「良くない」「良くない」‬

 

   お金を取られる

 

 「良くない」「良くない」

 

   決死で出かける 長時間待つ

 

 「良くない」「良くない」

 

 


   そうですか

 

   何故あなたが少しも苦しまないのか

   不思議です

 

   教えたのは 薬を出したのは

 

   あなたなのですが

 


   わたしたちはもう来ません

 

   わたしは、この人は良いものなのです

 

   それはわたしが知っていることで

 

   あなたの「良くない」は要りません

 

   わたしはわたしたちをあなたから

 

   自由にします

 

   すべての不幸の手紙

 

   紙飛行機か紙吹雪に化ける

   しかないから

 

   それのせいでひとりも

 

   泣かせたくないのです

 

   たぶんほんとうの全体なら

 

 

 

 

 

  『書かない詩人の詩』

 

 


わたしが彷徨っても生命はわたしを生かしてきた  人の気も知らないで

 

これまでに知った言葉のうち
一番良い言葉って何か考えてみる

 

ありがとうは五文字
またねは三文字
愛は二音
詩は一音

 

生は二音死は一音
わたしは三文字あなたも三文字
わたしたちは五文字

 

 

生まれ出逢い慈しみ別れ恨み許し手放して死んでゆく

 

 

 

 

何がしたいの 何が出来る どんなに愛しても この世からほんとうに大事なものを守るって出来ることなのだろうか この世からわたしの愛するものを守り抜くということ

 

 

 

書きあらわせないものたちへ
誰よりも深く愛している
絶対に何にも少しもおまえを傷つけさせない それしか出来ない
愛しているよ