冬の一角獣

真城六月ブログ

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

置き土産

駅の改札を出たところで待ち合わせをしていた頃、遅れてやって来た友達に「改札口で君のこと いつも待ったものでした」と、唄って迎えたことがありました。友達は、何その歌?と知らないようでした。当たり前です。わたしも親が唄っているのを聴いて覚えたん…

脆い鬼のための小品

降る雨が幽かな声で「うれしい」と言いながら花に落ちました。 「うれしい」 「うれしい」 雨の雫を受けた花は微笑んだり、驚いて震えたり、それぞれでした。 そうしてすべての花びらが雨を真似た囁き声で「つめたい。あったかい」と言いながら散っていきま…