冬の一角獣

真城六月ブログ

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

朝焼け

雨の多かった八月のある朝、うつくしい空を見ました。 昔から好きでよく見たり、写真に撮ったりしていたのは落日ばかりでしたので、たまには朝の空をと思い、下手なりに写真を撮っておきました。胸が騒ぐような朝焼けで、興奮屋の自分はすぐに手が震えてしま…

芙蓉 白芙蓉 羽衣

雨ばかり降る八月のある日、なりたいものは芙蓉で白芙蓉で羽衣でした。 天女に憧れるのではなく羽衣に憧れるのは、アリスにではなくエプロンドレスに、仮面ライダーにではなくバイクに憧れるようなものでしょうか。 でもエプロンドレスに憧れる人は、それを…

翠煙

玄関のドアを開けて外へ出るとお線香の香りがした。 蝉の声と湿った緑色の空気に包まれながら駅までの道を歩く。身体は乾いて、乾かして歩く。憧れは空っぽだから。空っぽになるまであと何歩。 小さく狭い棚は撓んでいる。押し込まれて圧し潰されて人形も書…