冬の一角獣

真城六月ブログ

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

抜け殻を背に

きれいな鳥の鳴き声に笑いながら目覚め少し重たい身体と頭で目はよく見えず寝起きの心許ない可笑しさに思うことは、いつか、目覚めるたびにむなしさとかなしみに包まれて胸から不安が身体中に染み渡っていくように感じていた日々のあったこと。あの日々のあ…

六月は歌を

歌って過ごしています。 とはいえ、何も六月に限ったことではなく、いつも歌を歌いながら暮らしています。何をするのでもお家の中では歌いながらしています。 雨の歌は多く、良い歌も多く一生かかっても口ずさむのに尽きないように思います。雨の歌と雨は出…

もうひとりいます 【創作】

最初は最初はいつだったろう。 最初だと思った最初は知らない人から知らない名前で呼びかけられて驚いたことから始まった。 振り向いてぼんやりするわたしに向かって、その人は話し続けたけれど、なんのことだかわからなかった。 人違いですよ。 その人はそ…

待っているもの

真夏にベランダから雷を眺めるのが好きです。ボールに氷水を張り、その中に三つほどソルダムを泳がせて冷やしたのを齧りながら眺めます。夏に疲れた身体に青い酸味と渋い甘さは涼しいです。丸い実で、皮は赤みがかった緑色で、齧ると中は真っ赤です。少し透…