冬の一角獣

真城六月ブログ

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

常に寄るしばしばかりは泡なれば

『篁物語』を読み返しました。昔から小野篁が大好きです。だから作り話であったとしても彼が登場する作品は嬉しく読みます。この『篁物語』は短い作品なので古典が苦手な方も読みやすいかもしれないと思いました。岩波書店刊、日本古典文學大系第77巻に収…

何もいらない帰りたい

何もいらない小さい彼女は学校帰り、駅のホームで泣いていた。私は今よりも小さく、だけど彼女より大きかった。手をつなぎ、バスに乗った。バスはぐんぐん走り、私の家のある方から遠く離れて行った。小さい彼女はいつの間にか泣きやんでいた。窓から見る夕…

異邦人 (六人目) 【創作】

停電になった。そのおかげで味わえたのは素晴らしい本物の冬の夜だった。私は一人で部屋にいた。パジャマの上にコートを着ていつもは抱かないぬいぐるみを引っ張り出し、抱いて座っていた。静けさは美しく闇は深い。スマートフォンの明るさが邪魔になり、電…

無時間【創作】

椅子のような椅子に座っている。腕を置いているのはテーブルだと思う。椅子かもしれないものとテーブルかもしれないものに触れている。そしてカップを探している。触れるところには無いカップを。喉が渇く。気がする。立ち上がり方を忘れたように座っている…

子羊たち 【創作】

黒い子羊は白い子羊と仲良くなりたいと思っていました。みんなと一緒にではなく、二人で遊びに行きたいのでした。だけど黒い子羊は中々白い子羊を誘えませんでした。白い子羊のまわりはいつも邪魔者がいっぱいでした。ある日、黒い子羊は邪魔者たちがお喋り…

だいたい寝ています

インフルエンザに罹りました。久しぶりのインフルエンザです。やはり普通の風邪より、ちとキツイです。せっかく寝込むのだから寝込むことの浪漫を味わおうと、缶詰の桃を食べたりしました。懐かしいシロップはわざとらしく甘くてなかなかロマンティックでし…

新しい年

あけましておめでとうございます。どうしてもやっぱり年はあけました。昨年はありがとうございました。そして今年もどうぞ宜しくお願い致します。皆さんにとって良い一年になりますように。『冬の一角獣』は今年もここにいます。真剣に書きます。ふざける時…