冬の一角獣

真城六月ブログ

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

荒地の真空管

夢みるときに踏みしめる足音と 記憶の中の銀杏の樹々が葉を揺らす音 どれも違うどれも違う 軋み 失うことを恐れるときの硝子を掻きむしる すべてを足しても違う でも近い 近くなり近くなり ほとんど触るというときに 涙がでてくる 見ても見なくても思うだけ…

『昔話の深層』から

河合隼雄の『昔話の深層』(福音館書店刊)は矢川澄子訳のグリム童話が十話収められ、装丁と挿絵を鈴木康司が担当しています。面白く興味深い本です。ユングに関心がある方は河合隼雄の著作を読むことも多いと思います。この本を最近読み返し、やはりたのし…

ふるえる水面

どこかで誰かが同じ仕草をしている いま まったく同じタイミングで右手でドアを開けている それを感じた 短い眠りから覚めてほとんど意識がはっきりしない二十分ほどの間に次から次へと言葉がとめどなく胸と頭を流れることがある。 完全に目覚めている(と、…

新年あれこれ

あけましておめでとうございます。 皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。 この新しい年も『冬の一角獣』をどうぞ宜しくお願い致します。 というのがきちんとしなければならないご挨拶です。ここからがいつもの変てこです。 皆さまはどんなお正月を…