冬の一角獣

真城六月ブログ

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ひろがる日

「紫陽花、さようならあ」 大きな声で元気よくそう言って走り去る見知らぬ子供の後ろ姿を、なんてうつくしいんだろうと、感じ入って見送っていたら、子供に向かって「おおう。さよならあ」と、声をかけている男性が目に入りました。 一瞬で、さっきの言葉が…

迷信

山脈が海に沈むことはあっても、富士山はお茶碗に入らない。 流れに逆らうことは、身体に悪い。それでも、思念が留まりたがったり、流れに逆らったりする限り、身体には苦痛を忍んでもらう他ない。そうして来たけれど、いつまで保つかしら。それがいつまでも…

綿菓子

綿菓子 綿菓子 綿菓子 綿菓子 綿菓子 綿菓子 綿菓子 綿菓子を手のひらで 小さくして ぽいと口に放り込み 飲み込んでしまった人がいた 戯け方のたどたどしさが印象に残っている 雨の日に 灰色の窓の外を見ながら 眠たげな猫に戯けて見せてみても あのうつくし…