冬の一角獣

真城六月ブログ

射手座に

 

 

遠くを見ているのでした


いつも飛び立とうとして


背中ばかり皆は見るのでした

 


人のために笑って


舞台裏で途方に暮れて

 

 

 

あなたが手に取るというより


書物の方があなたのもとへ行きたいのでした

 

 

 

湿度は苦手なのでからっと寂しいのでした

 

荷物は軽く

 

手ぶらでないと哲学の馬も自由のロバも気の毒なので

 

胸より頭がいっぱいで

 

 

この世の狭さ 果てまで駆けてもまだ狭い

 

 

 

つまらないことは嫌いなのでした


生まれつきあけすけで

 


帰りの便など無いことを知っていて
乗り込んだ船なのでした

 

 


最初に罪を飲み 火をつけて昨日を燃やし出かければ

 

 

過去があなたを見送って


朝陽はいまを眩しがり