冬の一角獣

真城六月ブログ

オペラとサカナとイナヅマ

 

 

ピアスさえ開けられなかったオペラさん
イナヅマは恐ろしいが美しい

 

 

写真嫌いが過ぎて遺影も無いサカナさん
イナヅマは種明かしと誕生に似合う

 

 

 

樹々が濡れているよ
車が濡れているよ
ベランダから見るすべて
世界が濡れている

 

 

イナヅマを手に享けて 二度と罪に浸らず

イナヅマに打たれなかったら
かなしくてかなしみのあまり
デンデンムシになる
全人類デンデンムシになれよ
というかもうなっているよ

 

 

お願いだ わたしを
わたしを?
オペラをどうかサカナさんはどうか
知っていてくれよ

 

 

お断りだ あなたを
あなたを
オペラさんをわたしは既に知っている
信じないでくれよ

 

 

 

ただいつもあなたのそばに
あなたの姿か気配のあるところに
行って どこからでも必ずそこへ行き
ただわたしはそっとそこにいたい
つまるところつまりは
それだけです

 

 

 

全存在の意味

 

 

 

そこにイナヅマが光って光っても
何がどうでもわたしは
あなたのそばに行き
そうね そこでただ座って

 

 

 

これからも

サカナのそば
オペラのそば
雷が落ちて落ちても

 

 

一層騒めく枝葉 高らかに緑