営みの手紙
枕を抱えて眠ろうとした
窓まで持って行ってビスケットを食べた
夜のぜんぶが四月の匂い
花は春の心臓の色
さかさに読む番組表
チムチムチェリー靴磨き
生きている人の打った文字を読むスマートフォン
いつか今が流れ込んで澄み切った先で屋根の上で遠吠えしたい
かわいそうな地球
たった一通の手紙を待ちながら回り続けたんだって
どこの骨が痛むの?
ベランダの手すりは撫でると冷たく
いつまででもさすろうと思わせる
写真の中から驚いた私達がこちらを見ている
どうしたの?かなしい目をして
そんなにもそこは酷いの?
対話 通信 私達はお互いを抱く 突き放し すれ違い 別れて出逢う
たった一通の手紙待ちながら
書くことを忘れてしまう
待っている誰かを
待っている誰かに宛てて
あなたは洗濯機回している