冬の一角獣

真城六月ブログ

営みの手紙

 

 

 

枕を抱えて眠ろうとした
窓まで持って行ってビスケットを食べた
夜のぜんぶが四月の匂い
花は春の心臓の色

 

さかさに読む番組表
チムチムチェリー靴磨き
生きている人の打った文字を読むスマートフォン

 

 

いつか今が流れ込んで澄み切った先で屋根の上で遠吠えしたい

 

 

かわいそうな地球


たった一通の手紙を待ちながら回り続けたんだって

 


どこの骨が痛むの?

 

ベランダの手すりは撫でると冷たく
いつまででもさすろうと思わせる

 

 

 

写真の中から驚いた私達がこちらを見ている

 

 

どうしたの?かなしい目をして
そんなにもそこは酷いの?

 

 

 

対話 通信 私達はお互いを抱く 突き放し すれ違い 別れて出逢う

 

 

 

たった一通の手紙待ちながら
書くことを忘れてしまう
待っている誰かを

 

 

待っている誰かに宛てて
あなたは洗濯機回している