冬の一角獣

真城六月ブログ

とおまあ

 

 

 

手のひらが自分を打ってしまって痛みがある夜の見慣れない文字を見つめる船底から聞く雨音

 

 

 

 

滑り落ちて下から上へ読んでも同じくらいに分からない異国の呪文遡れさかさま遡れないさかさま

 

 

 

 

目に食べさせる情報が身体を巡りわたしになる頃なくしてしまうものを力なく見送る失われない失うことは難しい得ることも中々毒と薬だけでは無いからすべてに未発見の余白が中間が隙間が広大なそれはあるはずしかも絶えず変化し続けるのだから古くなりながら新しくなるの

 

 

 

進め

 

 

 


泳いでいるんだ船だ沈みながら歌う浮き上がり息を継ぐ波は柔らかいよ夏にはかぶってしまえばさっぱりするよ溺れても運が向けば鯨になれるよ運が向けばね思い込んでいるよりラッキーなんだよ

 

 

 

戻らない船だ

 

 

 


ほとんど進まないときも海鳥が遊びに来て休むそれで憩うのはわたしだ笑うのも泣くのもわたし憩うのはわたしわたしが憩うためのわたしだ

 

 

 

 

進め

 

 

 

 

 

 

夜明け目を覚ましてああほんとうにどうかどうか鯨になれますようにすべての船が思うさま歌えますように