冬の一角獣

真城六月ブログ

海に似て

 

ひとりもない談話室で元気な自販機のあかるさが眩しい


整然と配置された清潔な机と椅子がおそろしいから座れずに歩き回ることも出来ずに見るものもなく立ち

 

 

助けを求める人のように窓に寄った

 

 

七月の空だった 膨らんで呼吸の荒い雲だった 海に似て青い果てまで青いだろうか果ても

 

 

その下の街だった その下の街の建物で その建物の談話室だった その窓辺だった

 


一言も発することなく 体重を忘れた足が向きを変え

 

 

長く白い廊下を歩き エレベーターを避けて 階段を下りた

 


外は面影だらけの駐車場で 逃れようとも青の下

 

 

 


果ては青いか

 

 

 

懐かしくなどない 何もかも少しも

 

 

 

 


そこから来たのだから