冬の一角獣

真城六月ブログ

うつすものうつさないもの

 

 

最近は様々な画像加工アプリなどがあり、上手に使う人が多い。

 

手探りで利用してみると、なるほどとても面白く、時間を忘れて色々と加工を楽しんでしまう。色味を変えると、晴れた青空は薄暗くなるし、平凡な街路を百年前の道に変えてしまうようなエフェクトもある。ヒトを綺麗に見せる機能は特に充実しているようだ。肌はどこまでも白くなるし、見せたくない部分は、ぼやけさせることができる。これがあの人?これが自分?というくらい別人に変身できる。どこにもいない人が写真の中に出現する。

 

なりたい自分になる。こうだったら良いな。こう見られたいな。おそらく誰にも少なからずあるそうした願望や心理を出来上がった写真から汲み取ろうとする。あるがままの自分ではなく、なりたい自分が本当の自分なのだと書かれた本もあった。

 

 

鏡や身近な人の目に映る自分と、写真の中の自分。その違いが甚しいほど、嘘つき、見栄っ張り、詐欺、ナルシストなんて言われるかもしれない。誰よりも自分が一番自分を見ているのだから本当は分かっていても、他者が普段見ている自分より見せたい別の自分とは一体何者だろう。

 

ヒトの心の可笑しさと不思議さと複雑さと可愛さと。加工された人物写真にうつされているものは深い。うつすヒトは思う。嫌な位置にあるほくろは隠して、斜めから写すのが一番良いな。見たヒトは思う。うつっていないほくろを、気に入っていない角度の表情を、うつされていないものを見たい。うつされていないものをしか見たくない。見る者は残酷に目を見開いている。

 

 

 

わたしは、写真というもののたのしさを、それが与えてくれるものを、いつも全て明かされない謎のように種明かししてくれるなと願いながら、そのままに好きでいたいと思う。撮るのも、加工するのも、見るのも。この世にはもうあまり魅惑的な秘密や隠し事が失われてきているようだから、写真はありふれた、罪の無い嘘の、残り少ない行き着く場であってくれたら良い。

 

 

 

わたしの嘘を置いておきます。

 

 

 

大阪のブティック『36時』様のガウンを着て。

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『36時』はわたしがお店の名付けを致しました。いつかそう遠くないうちに、お店へお買い物に行くのを夢に見ています。36時というのは存在しないと同時にたしかに在るものの象徴です。オーナー様の夢みる心が出現させたお店なのでしょう。お店は沢山の翼で護られています。わたしもその羽に触りたいのです。

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https://twitt.shopselect.net/

 

 

 

好きな彫像を見上げているの図。

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この写真は加工後に気に入って、一時ブログのちょうど丸い、今はスノードームのメリーゴーランドオルゴールの写真が入っているところに設定していましたが、なんとなくすぐに外してしまったものです。

 

 

 

最後に幼い日に描いた絵。紙に描いた絵を写真に撮ってブログに載せる。なんだか過ぎた情か業から機織りし続ける鶴のような気分になります。

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うさぎがとても好きで、うさぎばかり描いていました。

 

 

 

 

いつもうつされていないものを見ようとしてしまうのはどうしてでしょう。幾重にも重ねられたうつくしいもの、かなしいものをこれからも探し続けていくのかもしれません。はぎ取らずに、見たいと思います。