冬の一角獣

真城六月ブログ

2015-11-08から1日間の記事一覧

そしていつかそれをみた

私たちはお互いのかすり傷を慎重に見せ合う。大きな傷、深い傷は慎重に隠しながら、なんでもない引っ掻き傷を一つ一つ見せ合う。血の河は流れる。身体の中を騒がしく流れる。その騒がしい音を聞きながら。遊園地のそばつぶれそうに見える古い喫茶店愛想の無…

いつかそれをみた 【創作】

様々なものに満ちた世界にいた。そこでは無くなるものを愛でる慣習があった。無くなるものを愛でるだなんて彼らどれほど向こう見ずに勇敢な人々だったろう。とりわけ儚いものもいくつかみた。みているうちに何故それらのものに人々が惹かれるのか分かった。…