冬の一角獣

真城六月ブログ

夢と身体

貧血で倒れる夢を見た日に倒れた。夢や無意識と身体の繋がりというのはやっぱり不思議で面白い。

昔からある貧血の発作だった。突然の息苦しさと眩暈と金属で出来た輪に強く締め付けられているような頭痛と激しい動悸に溺れる者のように最初は酸素を求め、沈むようにその場にしゃがむ。後はひたすら胸のバクバクが治るのを待つ。
バクバクバクバク凄い恐怖。強烈。
あんまり怖いので意味は無いけれど左手で胸のあたりを押さえながら、心のなかで、バクがいっぱい可愛いな!と唱えたりする。
こういう時は簡単にすべて恐怖に支配されてしまう。そして、恐怖に支配されている自分が情けなくて嫌な嫌な気分になる。見苦しいのは嫌なもの。そしていま、自分は見苦しい。そういう気持ちがぐるぐると短い時間に心を巡り、ままならない身体に苛立ち、涙が出そうになったりもして、さらに見苦しい。

その後、横になって休ませていただいて回復したけれど夢を再現したことに驚いたのだった。

同時に、こんなことを繰り返していれば、どんな強気の人であっても気弱になっていったりするだろうと他人事のように思った。

身体はわたしのいれもので、ここからわたしは出られない。

意思も感情も吹き飛ばしてしまう身体の痛みがもたらす苦しみや口惜しさとみんなも折り合いをつけているのだろうと思った。みんなのあかるさややさしさを一層貴く思い返した。


げんき!

好きな人がげんきな夢を見る。