冬の一角獣

真城六月ブログ

2019

 

十二月も半ばを過ぎ、日毎寒さがつのります。着てはもらえぬセーターを寒さこらえて編んでます。

 

お元気ですか?そして今でも愛していると言って下さいますか?

 

 

一年の締めくくりにまとめのご挨拶を兼ねての更新だというのに、ふざけてすみません。風邪などひいていませんか。お元気でいらしてね。

 

 

やっぱり、自由にたくさんたのしんで過ごせるのが良いですね。それはとても贅沢で珍しいことと知っているからこそ。歳を重ねるごとにその思いは深まります。誰かの望むように在らねばならぬ人などいないと。誰も誰にも在り方を強いずにいられるようになると良いと考えています。難しいですね。わたしには難しいです。難しいから間違えるのは当然で、その都度いけない、いけないと自分で自分を新しくします。古く留まった瞬間から生は濁り出すのかなと感じています。そして、焦らずいきたいものです。

 

 


一年を今この地点から振り返ると、訳の分からないジタバタを繰り返してきました。それは、いつものことで、一つも同じことの無い日を送ってきたのだなと思います。過ぎてみれば、すべて自分になって、あるのは今だけです。相変わらず何も無いとも言えます。その何も無いということの豊かさと重さとを感じています。

 

 


昨年は家族の入退院が頻繁にあり、年が明けてからも自宅で困ったり、困ったり、とても困ったりでした。それでも今年は昨年よりは安定した日々を過ごすことが出来、ありがたく思います。

 

 


春に思い立ち、資格試験の勉強を毎日の隙間時間にするようになりました。なかなか思うようには進みませんでした。

 

 

夏には、大阪へ行きました。名付けをしたブティック(36時さん)へやっと赴くことが出来ました。近くにある神社で待ち合わせをした店主の方と歩いて、お店へ行き、小さなバッグを買いました。お店には、木馬がいて、電話ボックスがあり、シャンデリアが封じ込められた壁紙があり、クマさんやうさぎさんやアリスやマーメイドがいました。ポーとドロシーもいました。わたしはタクシーでそこを離れました。タクシーの窓から店主さんに手を振りました。店主さんは、忘れたかしら。そのタクシーでわたしはアイスショーを観に行きました。暑い日で、氷の近くの席はとても気持ち良かったです。神話の登場人物が地上に降りて来て、舞う姿を観ると場所や時間や自分は無くなるようでした。帰りの新幹線では夢から覚め、家のことが非常に気掛かりでした。

 

 


また別の暑い日には、詩を投稿する為に郵便局へ行きました。かなり前に度々していたことなのに、いざ久しぶりに取り組むと送るというだけで緊張しました。郵便局の帰りには、わざわざ八月の炎天下を遠回りして、段々塞ぐ心を鎮めようと坂道を選び、ヘトヘトに疲れる為に歩きました。

 

 


資格試験を受けた帰りの電車から、友人にメッセージを送りました。意地の悪い試験でしたと。足取り重く帰宅しました。

 

 


日常は変わらず続き、その中でよろこびや怒りやかなしみを味わい、乗り越えられないと感じた時は、ただ横になって泣きました。友人に打ち明けると、いつも到底信じられないほど、ほんとうに聴いてくれました。それで夜が朝になったり、ぼろい膝掛けが天鵞絨になったりしました。

 

 


その後、資格試験の結果が出て、合格することができました。嬉しかったです。友人に感謝しています。更に勉強をしていこうと思うようになりました。

 

 


送った詩が佳作に入選したと葉書が届き、これはほんとうに嬉しくてぼんやりしてしまいました。その後も報せを頂き、今は受賞された作品を読むのが楽しみです。書くのと同じだけ読むのが好きなので嬉しいです。

 

 

 

そういうジタバタを繰り返して、今です。年内の月日も残り僅かですが、まだ何かまたきっとあるような気もしています。いつだって、その何かは選べないものだから、人はお互いに無事と幸運を祈るんですね。新しく困り、新しくよろこび、それが生きているということなんだろうと思っています。毎日、古くなりながら新しくなりたいです。

 

 


それでは、皆様、一年、お疲れ様でした。お付き合いくださりどうもありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

 


またね。

 


                                        真城六月