冬の一角獣

真城六月ブログ

言葉

 

 

あなたに使われない語だけでつくった歌を歌っていたら、カナリアだと思い込んでいた鳥が陽射しになり、暗いところを照らし出した。カナリアはひだまりになっても歌うのだった。ひだまりはカナリアでなくなっても羽根を震わせ飛べるのだった。

 

 

すべての語に魔法がある。あるときわたしは魔法にかけられたと思った。あるとき魔法が解けるのを恐れた。あるときわたしは魔法が解けたと感じた。あるとき魔法にかかっていなかったと気づいた。はじめに魔法を待ち望む思念がある。どの魔法にかかるかは選ぶことが出来る。選ばずにかかって遂に解けぬ魔法もあるかもしれない。

 

 


わたしが使わない語だけで語られる夢は銀河で十もあるかの存在の眠りを充たし、押し拡げ、眠りはいっぱいに夜を呼吸する。まっくらの一点で幽かに笑みながら夢見られる眠りが、点々と光る。

 

 

 


生きて胸の中へと目指して生きて、やがて見えなくなるだけで、ずっと、そのことを思っていました。中学校の廊下の窓から、あの時から、言ってきましたのに。同じことを言ってきましたのに。


よろこびをよろこぶために笑うことが出来て、あなたに手紙を書くためにわたしは言葉を知りました。