冬の一角獣

真城六月ブログ

ゴースト

 

 

 


これは優美な甘美な屍骸になる過程のあまり優美でもなければ甘美でもない肉体というか単に身体である。かもしれないし、違うかもしれない。これはその中で笑う骨である。血は歌いつつ流れ、行き止りの見つからない夢をみる。闇に於いては光を光に於いては闇を慕う。一人きりでありながら千人で進む綱渡り芸人の群である。

 

 

 


つまんない映画を観て二時間無駄にしたい

 


身体に良くないものを食べてお腹いっぱいになりたい

 


せっかく最前列のショウの間中眠って過ごしたい

 


似合わない帽子を被ってパーティーでおべんちゃら言われたい

 

 

 

 


大丈夫 夢のなかでもワルツの間 あなたの足を何度も踏むし 大丈夫 あなたは汗も流さず青ざめる 大丈夫 最初のあなたを憶えているから 何度でも 色の変わる人の足を踏むワルツを いつも初めてのぎこちなさで ぎくしゃく 笑い過ぎて 骨が笑って 眠っている間に癒される傷ならば たくさん負ってしまえ

 

 

 

つまり つまりは 生きたいのね

 

 


滑稽なあいつやあいつの見え透いた芝居を週に八回も ため息ついて 野次飛ばして

 


抱きしめて息も出来なくしてあげる

 

 

 

生きたい 生きたいの

 

 

 

馬鹿なことしたいの