冬の一角獣

真城六月ブログ

七月

 

 


開けなかったピアスの穴の無い耳たぶで


ガードレールにもたれている


着替えた服は鞄に入れられ膨らんで


駅のロッカーで汗をかいている

 

 

 

 


この星

 

 

 

 

曇りガラスを見るように街を触る目が


充血して白いところの赤さに疲れている

 

 

 

 


この星に

 

 

 

 

 

ボタンの取れたブラウスのボタンを失ったところにブローチを付けてあげたら


最初から付いていたような


こうでなければならなかったような服が出現して

 

 

 

 


音楽

 

 

 

 


水の上を走る車の窓の中に鳴いている犬がいて


目が合って愛しい永遠の別れが貫いて残像

 

 

 

 

 


七月はどの七月も喉を涸らして青かった

 

 

 

 


もうすぐ次の青さの中でたくさんの七月が晴れる

 

 

 

 

 

 

この星に息を吹きかけて

 

 

時間泥棒に花の首飾りをかけてあげる