七月
開けなかったピアスの穴の無い耳たぶで
ガードレールにもたれている
着替えた服は鞄に入れられ膨らんで
駅のロッカーで汗をかいている
この星
曇りガラスを見るように街を触る目が
充血して白いところの赤さに疲れている
この星に
ボタンの取れたブラウスのボタンを失ったところにブローチを付けてあげたら
最初から付いていたような
こうでなければならなかったような服が出現して
音楽
水の上を走る車の窓の中に鳴いている犬がいて
目が合って愛しい永遠の別れが貫いて残像
七月はどの七月も喉を涸らして青かった
もうすぐ次の青さの中でたくさんの七月が晴れる
この星に息を吹きかけて
時間泥棒に花の首飾りをかけてあげる