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冬の一角獣

真城六月ブログ

空木

 

 

 

ひとりの夜には家じゅうの灯りをつけて

 

 


報せを待ちながら 報せから逃げながら

 

 

カーテンを開けばかがやくお月さまがあることを悲しんで感謝して

 

 

窓の外 手を差し出せば 涼しい夜を
感じられることがどうしてかこわくなる

 

何処かそれほど遠くないところから花の香りがするのに

 

何処であなたは咲いている

 

見えない色のあることは
夜を豊かにしている これほど

 

 

 


こちらの部屋からあちらの部屋まで
ステップ踏んで 廊下の床に自分の影が ほんとうの自分より少しだけ若く 首を傾げ 腕を広げ ステップ踏むこちらだけ急いで老いてゆくようで

 

 


鐘が鳴る

 

 

 

 


食器棚から滅多に使わず綺麗なままのカップを出して珈琲を 本の読めない夜には

 

 

 


夢をみるのはひとりなら 降る雪降る雪 舞う白が 後から後から静かに静かにすべて すべてが凍りついた頃 橙色に滲む灯りの街で 鳥の羽ばたく音を聴く 羽の白 骨の色 褪せぬ色 ますますひかる白い色は

 

 

 


報せは届かず夜は明け

 

 

 


陽の光より懐かしいもののあることは

 

 

 

 

 

過ぎた日のために注ぐ陽よ