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冬の一角獣

真城六月ブログ

そしていつかそれをみた

私たちはお互いのかすり傷を慎重に見せ合う。大きな傷、深い傷は慎重に隠しながら、なんでもない引っ掻き傷を一つ一つ見せ合う。




血の河は流れる。身体の中を騒がしく流れる。その騒がしい音を聞きながら。





遊園地のそば


つぶれそうに見える古い喫茶店
愛想の無い店主

ひろがる影
影が影に重なり影は影でなくなり
砂のすべて落ちた砂時計を


遊園地のそば


ホットココアに浮かべられた流氷のようなバニラアイスは溶けてゆき
暗かった海は柔らかくなる
すぐに消えるもの
すぐに消えるものを差し出す心
消えないものにするために捧げられた消えるもの
暗いココアを明るくして甘くして満たすものにして



いつかそれをみた。