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冬の一角獣

真城六月ブログ

無時間【創作】

椅子のような椅子に座っている。
腕を置いているのはテーブルだと思う。
椅子かもしれないものとテーブルかもしれないものに触れている。
そしてカップを探している。触れるところには無いカップを。喉が渇く。気がする。
立ち上がり方を忘れたように座っている。
さっきまで鳴っていた電話が誰からだったのかも確かめずに座っている。

いないクラスメイト。いない犬。いなくなったものたちはどこへ行ったのか。

電話、君だった?

調べたいことを忘れてしまって、もう調べられない。
追えない。
ずっと追いすぎていてもう会えない。
カーテンは光を遮り続ける。夜や雪を隠し続ける。
知られていることを知っていることを伝えることをしてしまいそうになる。
降りているよ。降りている。
安心してほしい。
捨てていないのに無くなったもの。
盗まれていないのに無いもの。

写真に撮られたジャンプを跳んで戻ってクリームソーダを飲む。

カップを探す。

電話は君からじゃない。

テーブルと椅子。
ジュウジニジュウキュウフン。

心臓の無いところがぜんぶどきどきする。