冬の一角獣

真城六月ブログ

反省文 【創作】

おひるやすみにのんちゃんが、わたしがきゅうしょくを食べるのはおそいと言いました。みんなでドロケイをするって言ってるからいくよと言いました。
きゅうしょくを食べおわっていないのは、わたしとりっちゃんだけでした。わたしは外であそぶのがいやだったけど、のんちゃんをすきなので、いっしょうけんめい食べました。
りっちゃんは、きゅうにはやく食べるわたしを見てなきそうになっていました。いつもわたしとりっちゃんはぜんぜんごはんを食べられなくてふたりでおこられていたのに、わたしはのんちゃんのためにりっちゃんをうらぎりました。
わたしが食べおわったおさらをのんちゃんはさっさとかたづけて、はやくはやくと言いながらいっしょに外に出ました。

みんながあつまっているところにまじるときにのんちゃんが小さなこえで「おれはドロボウになるから、こうめもドロボウになるんだよ」と言いました。わたしは、のんちゃんとドロボウになることをせかいでいちばんしあわせだとおもいました。
ドロボウになりたい人?というこえに、のんちゃんとふたりで手をあげました。ほかにも五人くらいドロボウになりました。ケイジも六人いました。
じゃあにげて。とケイジの子が言って、ドロボウはみんなにげていきました。
のんちゃんは、こっちこっちと言って、はしってどんどん木がいっぱいで、草がぼうぼうのところにはいっていきました。いちばん草がぼうぼうのところにのんちゃんはしゃがんで、わたしにもすわるように手をひっぱりました。わたしたちがしゃがむと、ぼうぼうの草でぜんぜんどこからもわたしたちが見えなくなりました。
ぜったい見つからないよ。とのんちゃんが言いました。でも見つかったらどうするの?とわたしがきくと、見つかってもにげるよ。とのんちゃんは言ってにこにこしました。わたしははしるのがおそいからつかまるよ。と言うと、のんちゃんは、だいじょうぶ。こうめがつかまりそうになったら、木のぼうとか石をなげたりするからだいじょうぶだよ。と言いました。のんちゃんがそう言ってくれるのはうれしかったけど、石をなげたらあとでせんせいにおこられるので石はなげないで。とわたしは言いました。のんちゃんは、でも見つかるわけないよ。と言いました。
そして、ほんとうに見つからないまま、おひるやすみのおわるチャイムがなりました。わたしはしあわせだったので、きこえないふりをしました。
のんちゃんがきゅうに、おれ、おかあさんがびょうきになったからてんこうするよ。もうすぐひっこしなんだ。と言いました。わたしはほっぺのうちがわをかんでいました。どっかがいたいときにはいつもかんでしまいます。もうがっこうにこないの?ときくと、のんちゃんは、うん。と言いながらわたしの手をひっぱってたちあがりました。
きょうしつにもどろう。と言われました。わたしはかなしかったです。
きょうしつにもどるとき、のんちゃんが、ずっとドロボウでいられたらいいのにね。と言いました。わたしもずっと、いっしょうドロボウでいたかったです。
のんちゃんがいなくなって、いつもケンカでのんちゃんにまけていた、かつくんが、あんなやついなくなってよかった。とみずきくんに言っているのをききました。わたしはかつくんをおもいきりつきとばしました。でも、かつくんのほうがつよくて大きいので、やりかえされてわたしがたおされました。かつくんは、わたしに、あいつのおやなんてなおんなきゃいいんだ!と言いました。それでわたしは、かつくんをほうきでなぐってしまいました。
せんせいごめんなさい。でもわたしはもっとなぐりたかったです。せんせいはわたしがよいこでいたら、のんちゃんのおかあさんがなおると言いました。だけどわたしはわるいこなので、のんちゃんのおかあさんがしんぱいです。どうすればいいかわかりません。ずっと、のんちゃんのためにおいのりをしています。ごめんなさい。いままでぜんぶむずかしかったです。