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冬の一角獣

真城六月ブログ

待ち合わせ【創作】

一杯の珈琲を飲むためにあるスタッカート

喫茶店で兄をなくした弟がまた猫を失って無口に珈琲を淹れてくれる

誰も救わないレクイエムは流れる

語られない言葉に耳を澄まし

硝子を飲むためにあるスタッカート

一から順番に思い出そうとしても
一がどこかわからない二も三もわからない
それらは混じり合って溶けているようにしか見えなくなってしまった

うちのストレートにミルクなんか入れるなよ

ああマスターが怖い

ひかるひかりを見る
茶色の床に赤い絨毯に生成り色の天井にひからないひかりをひかるひかりを見る

行間を余白を書かれた嘘をひかりを

飲み込むためのスタッカート