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冬の一角獣

真城六月ブログ

今までに開けたり閉じたりした沢山のいろいろな扉のなかで一番好きな扉をすぐに答えることができます。

住む家のリビングの扉です。

引っ越しても新しい家にしつこく取り付けた家族にとって特別な扉です。

それには母が昔デザインしたステンドグラスが嵌め込まれています。

薔薇と薔薇の葉が赤とオレンジと黄色と緑と白の色で表現されたもので、派手さはなく素朴な雰囲気です。

見慣れて、見慣れ過ぎたその扉ですが、もし突然それを取り去ったとしたら、まるで別の家になってしまうと思います。

時々、母はなにを思っているのかそのステンドグラスを見つめています。穏やかな静かな表情で見つめています。

私も時々、その扉をしみじみと観察しますが見るうち何故か心は深く落ち着きます。

子どもの頃見たよりも扉はなんだかちっちゃくなりました。薔薇も葉っぱもちっちゃいです。

どなたにも深く関わって生活や人生から切り離し難い扉があるのでしょうか。

その扉を見ただけで、もう大丈夫だと安心するような、いつでも屈託無く開けて入れる扉があるのは嬉しいですね。

好きな人や好きなもの、美味しいものがあるところに通じる扉の古い硝子におめかしさせるべくたまにはピカピカに磨いてやろうかと思います。