冬の一角獣

真城六月ブログ

大きな観覧車【創作】

大きな観覧車になって小さな子を乗せます
ゆっくりゆっくり回って
その子を降ろします

大きな観覧車になって大きな人も乗せます
ゆっくりゆっくり回って
その人を降ろします

大きな観覧車ですから景色はゆっくり流れます
一人ずつ乗せるので誰にも知られずなんでも叫ぶことができます
泣いたり笑ったり歌ったりできます
口をぽかんと開けて外を見ることも
ため息を何度もつくことも
内緒にできます

なりたいものは大きな観覧車
大きな観覧車のような人ではなく
大きな観覧車になりたく思います


ときどきそんなことを思い

ほんとは自分がそれに乗りたいのです

ときどきで良いです
乗りたくない時もあります
ただ見ていたい時もあります
見るのも嫌な時があるかもしれません


大きな観覧車のことを考えると
熱があるときも暢気です