冬の一角獣

真城六月ブログ

歌の中を

 

深夜、帰路、電車の中で 眠りかけて俯いた君を隠す髪の色の深夜、夜の深まり

 

 

窓硝子越しのくしゃみ、出なかった電話、打たれた日のアイスクリーム、冬のいななき、誰もいない国道

 

 

口笛、掠れ声、一粒だけの雨、予感にまつわる予感、あてにならない今月の助け船

 

 

剥げないマニキュアは、与えています。プラスマイナス有限無限。古の悠久の新製品は580円です。

 

 

昂揚して仕方ない、震えてさわる猫にさわられる指の泳ぎ、遠泳、凪、なにかを抑えつけている、笑うとき光る頬、夢になど見ない

 

 

薬缶、蛇口、白く新しい壁、いつか受けるまなざしを待機し、化粧した絵の内の君の脈打つ辿れないさまよい、時は重ねると、ときときと打つ

 

 

 

 

わたしも橋になりたい、白線の内側で、朝、たぶん読まれない贈った本が、それでも許してくれて、すべてを上回って、まるでそれは君みたい

 

 

 

眠るときさえ歌いながら